鍛造とは

作業シーン24

鍛造とは文字通り「鍛えて造る」ということですが、鉄を高温度に加熱し、打撃による形状の変化を目的とします。

もちろんその形状は、概ねお客様の御要望に応える形状で鍛造します。この打撃の作業は、昔の刀鍛冶のように手に金づちを持って行うわけにもいきません。

山越工業株式会社では、
空気圧を利用し最大約250kgのパワーを持つ
「1/4(4分の1)トンエアハンマー」と呼ばれる機械を使って作業を行っております。

焼けた鉄にこのハンマーで打撃を加える事により、
各鋼種【SC材・ASTM材・ステンレス・インコロイ・チタン(TB340)(6-4チタン)・アルミ・銅(キュウプロニッケル)バネ鋼(SUP10)】の特性を生かし、金属素材内部の隙間や空洞部分を潰し結晶を微細化し強度を高めていきます。
これを弊社では「大阪ガス」と提携し、コンピューター制御によって、 加熱に発生する素材変化等をなくし、 より良い製品の製造に不可欠な「加熱炉」、 『バッチ式ガス炉』をその第一号機として採用しました。

これによって、あらゆる形状のもの(ベタ角、ベタ丸、ボス付き、角伸ばし、丸伸ばし)を鍛造製作できます。

作業シーン12

「1/4トンエアハンマー」は1人では十分に使いこなせません。
4人一組でこの機械を使い1つの物を造り上げて行きます。
これは4人の息が合わないと「鉄を熱いうちに打て」なくなるので、なかなかに難しい作業となります。まさに「職人」の腕と、「先手(さきて)」と呼ばれる補佐役、鍛造母材を加熱する「カネ焼き」との、呼吸とバランスがものを言います。

この実現が弊社の鍛造メーカーとしての地位を築き上げました。

作業シーン29

山越工業が行うフリー鍛造の一番の特徴としましては、お客様が必要な数量だけを製造し、高額な金型費、在庫費等の不必要な出費を節約する事を強みとしています。また、短納期でも金型が不要なため対応ができます。

現在の『3K』部門に入る労働ではありますが、技術を若人に伝え、PL法等による品質等の管理を重視し現代社会に対応ができる企業となることをモットーとしております。

鍛造の種類

温度によっていくつかに分けられ、主なものは、冷間鍛造、温間鍛造、熱間鍛造等があります。弊社はこの熱間鍛造に区分されます。
加工方法においてもいくつか種類があり、フリー鍛造(自由鍛造)、型鍛造、特殊鍛造等で、弊社で行っているのはフリー鍛造です。

フリー鍛造は小ロット多品種に対応することができ、その本領を発揮します。
大量生産前の試作などには有効です。試作等の依頼も少なくありませんが、2次加工での取り代は型鍛造に比べると多くなります。

型鍛造は量産品に適しており、2次加工での取り代は最小限に抑えることができます。
ただし、小ロットには対応しづらく、専用の金型が必要になります。

一般的なフリー鍛造では型鍛造のような精密な金型は使用しません。多品種対応の場合は、程度取り代に余裕を持った簡易型を使用します。
弊社では2,000種を超える簡易型を常備し、それを駆使することによって、多品種に対応しつつ、極力取り代を減らす努力をしております。

フリー鍛造
(自由鍛造)
主に大物鍛鋼品に適用し、プレスを使用、量産品には向かない。
取り代は多い。
型鍛造 主に量産品の小物鍛鋼品に適用。プレスやハンマーを使用。
取り代は少ないが専用金型費がかかる。
特殊鍛造 GFM鍛造機やリングローリングミル、回転鍛造機等の特殊鍛造設備をプレスと組み合せる方法。
・GFM鍛造機:軸状製品の鍛造に適している。
・リングローリングミル:リング状製品の鍛造に適している。
専用ロールを製作すれば、SOやWN等の段付き異径品も仕上形状に沿った形状で鍛造可。

鍛造品の主な特徴

鍛造品は機械構造部品の基礎です。
強靭で信頼性が高いといった多くの特徴から、幅広い機械構造部品に使用されており、他に変えがたい素形材と言えます。

鍛造品
の特徴
・ 製品形状に沿ったメタルフロー(鍛流線)が得られ強度がアップする。
・ 圧力を加えることにより、組織が緻密となり内部欠陥がない。
・ 機械加工が省略、または節減できるので、時間短縮、コスト削減に繋がる。
・ 同じ強度を保ちながら肉厚を薄く軽量化でき、材料の無駄がない。

なぜ鍛造という加工法を使うのか?

それは、粘り強く、コストを削減というメリットがあります。

客先の要求や目的の形状に成形することにより、2次加工のコストを削減できる。
切削加工と比べて素材投入重量の軽減が可能である。
その結果、コストの削減が可能。

材料を鍛錬することにより、溶解鋳造時に生じる巣などの欠陥を圧着させる。
その結果、結晶粒を微細化し機械的性質を改善することができる。

作業中の従業員09

製品形状に沿った鍛流線(メタルフロー)を形成することにより、
強度や耐久性を得られる。
安全性を必要とする重要な部品にも多く用いられる。

作業イメージ10

粘り強さを生み出す鍛流線(メタルフロー)の比較 ~クランクの鍛流線~

鍛流線(メタルフロー)の比較01
材料の形状に沿ってメタルフローが流れている。
反復曲げ応力に強い。

鍛造品

粘り強さを生み出す鍛流線(メタルフロー)の比較 ~クランクの鍛流線~
加工した部分でメタルフローが切られている。
反復曲げ応力に弱い。

鋼材からの削りだし品

粘り強さを生み出す鍛流線(メタルフロー)の比較 ~クランクの鍛流線~
メタルフロー無し。
反復曲げ応力に弱い。

鋳物品

鍛造製作の作業工程

材料の鉄を加熱炉で熱します

製品05
作業イメージ03

エアハンマーで鉄を叩き、鍛えます

Cエアハンマーで鉄を叩きます
作業イメージ04

鉄を鍛えて出来上がったものが鍛造!

作業イメージ09
鉄を鍛えて出来上がったものが鍛造!

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